借金問題を解決してくれる法律家に相談すれば、「援用すれば問題の解決ができますよ。」と言われた経験のある方もいるのではないでしょうか。
借金問題において、援用というのは、「時効の援用」を表す言葉です。時効の援用という言葉は、法的知識がなければ、上手く解釈することができないと思いますので、解説していきたいと思います。
借金だらけの旦那も救える?!援用っていったい何?
よく、以前相談をされていた方から、「借金の援用ってどんなことをいうのですか?
払わなくて済むのですか?」という質問を受けたことがあります。
というのも「うちの旦那が借金だらけで、一度も払えなくって、そうしたら援用っていう
方法もあるときいて・・・」というお話なのです。
たしかに長く借りていて一定期間返済してない人については、借金だらけの旦那様を救うかもしれない「援用」という方法が無いわけではありません。
援用とは時効を援用(時効が成立していることを主張すること)すれば、債権者である消費者金融は権利を行使することができなくなります。
借金に時効?はい、そうです。ですので、消費者金融に対しては、この援用をしてしまえばあなたの旦那さんの借金は無くなるわけですね。
すなわち、もしこの条件に当てはまっていたら、あなたの借金だらけの旦那さんももしかして、もう支払わなくて済むのかもしれません。
でも時効があっても、借金をそのままほっておけば無くなるというわけではないんです。
「借金が時効期間になりました。」と言われた際、誰しもが借金は消滅したと感じますが、実は無くなってはいません。
なぜならば、時効期間になったとしても、援用をしなければ、借金が消滅することがないからです。この場合、借金だらけの旦那さんが、手続きをして援用を確定させないとだめなんです。権利を一定期間行使しないと、行使することができなくなります。
時効の援用という言葉を正しく解釈するのであれば、時効による利益を受けるために相手にそのことを伝えることも意味しています。
「私は、時効期間が来たので、借金回収について受けつけません。」ということを伝えることだということですね。
そのため、借金の援用を受けた金融機関は、借金回収ができないということです。家族の誰かが借金をしてしまったとしても時効期間が経過し、時効の援用を有効に利用することができれば、自らが抱えていた借金がなくなるということです。
あなたの旦那さんがこのパターンに当てはまる借金だらけなら、援用が適用できる可能性がありますので、専門家に相談して、借金だらけの旦那さんの債務をどうするか、終わらせることに専念しましょう!
援用を行うための条件と言うものがもちろんあります。
援用を確定させるための条件
- 一定期間借金を返済していない
- 時効が改めて振り出しに戻っていない状態
この二つの条件に当てはまっていれば手続きを進めることができます。
そのため、勘違いしてはいけないのが、時効期間が来たから何もしなくて良いというわけではないということです。時効の援用による効果を得たいのでしたら、正しい手順で申請を出すことが大切なのです。
内容証明郵便を準備して時効援用通知を送付
借金問題の時効期間について、時効の援用が可能だというのであれば、下記の手順で、時効の援用を申請してください。
時効の援用申請手順
- 時効援用通知書を準備する
- 配達証明付きの内容証明郵便で郵送
借金だらけの旦那さんの法的な効力を得るためには、確定日付が証明できる内容証明郵便で送付します。
口頭ですと、いつ、どのようにいったのか不明という証拠が残らない方法だから残る方法でやるよ!っていうことです。
まず、時効援用通知書とは、どのような通知書なのか全く分からないという人も多いでしょう。
時効援用通知書とは、名前の通り時効の援用が成立することを伝える証明書なのですが、基本的な記載方法が決まっています。
ここでは、記載する項目について説明しておきます。
- 日付(通知書を送付した日付です)
- 通知人の氏名、住所(あなたの住所や名前です)
- 被通知人の会社名、代表者名、住所(送付した書類の受取人になる会社名・代表者名です)
- 消滅時効が完成していることを主張する(5年の消滅時効の期間が経過しているため、消滅時効の援用を行いますと記載しておけば問題ありません)
上記の説明を見てもらえれば分かるように、決して時効援用通知書の書き方や準備が難しいというわけではありません。
手順を理解し、書き方を覚えれば、人に説明できるほど簡単なのです。
また、このような文章は自分で考える必要がありません。
インターネットの検索エンジンに、「時効援用通知書 例文」と入力して検索してみてください。
様々な例文を公開してくれていますので、自分の状況に合う文章を見つけて指示通りに送付していくことが大切です。
また、手順②で配達証明付きの内容証明郵便で郵送と説明しましたが、この具体的な詳細については、郵便局の内容証明に関する説明を読めば、詳しく理解できます。
基礎的な内容だけ、まとめて説明しておくと内容証明郵便とは、送付郵便物を「いつ、誰に、どんな内容を」送付したのかを郵便局が証明してくれる制度です。
例え、時効の援用に必要な書類を送付しても、相手の賃金業者に受け取っていないと言われたら、それまでです。
しかし、配達証明付きの内容証明郵便があれば、賃金業者に対して、時効の援用に関する書類を送付し、受け取ったことを証明できるこということです。
債権は、個人の場合は10年間行使しない場合は消滅します(民法第167条)
個人の貸し借りは10年たったらチャラのチャンスがあるんです。
企業から借りたお金いわゆる消費者金融から借りたものであれば、時効は5年です。貸金業者からのお金は全部これに相当します。さらに時効が5年ですからチャンスが広がります。
これらチャラにされる対象は、信販会社、銀行、等があてはまります。
連帯保証人による時効の援用
一般的に時効の援用ができるのは、借主です。しかしながら、判例を見渡せば、他にも選択肢があることに気づかれるでしょう。
実は、連帯保証人にも時効の援用が認められた事例があるのです。
そのため、連帯保証人は、消滅時効の権利を行使することが可能ですので、保証債務を消滅させることができます。
法律用語である保証債務とは、借主がお金を賃金業者に借りた場合、借主以外の人が、その債務返済の役割を果たすことを表しています。
誰しもが、連帯保証人という言葉を聞いたことがあるでしょう。保証債務とは、連帯保証人の行為を表していると説明すると、すぐに理解できるでしょう。
時効の援用のまとめ
まず、時効の援用とは、時効による利益を受けるために相手にそのことを伝えることだと説明しました。
また、連帯保証人による時効の援用については、実際の判例も存在するため、法的に認められています。
保証債務を消滅させることは可能なので、権利を行使していきましょう。
ここで大事になってくるのは、旦那さんが「いつからいつまで借りているのか」と言う期間です。
借りた消費者金融からでないと、その履歴を貰うことができません、自分でも請求できますが、困難な場合には、専門家に代行してもらうのも手です。
借金だらけ・・・の方ならなおさら複雑です。
そこから引き直し計算をして、時効だな、過払い金はどうかなと、確認をしていくわけです。専門家に頼ったほうが、絶対いいはずですよね。
ただし、債権者が請求の訴訟を起こした時、差し押さえ、あなた自身が借金の事実を承認したときには時効が中断されてしまいます。
今までの時効がストップしてしまうので新しく、期間を測り直さないといけません。気をつけてくださいね。借金だらけの旦那を救うためにも覚えておいてほしいところです。