あなたは、特定調停というものを具体的に理解しているでしょうか?
テレビなどを見ていると、「調停を始めます。」という会話が出てくるため、裁判所で何かすることだと理解している方も多いと思います。
今回は、特定調停の具体的な内容と、有利に進める交渉術について解説していきたいと思います。
特定調停の基礎知識
そもそも、一般的に特定調停という言葉は、裁判所などで利用される言葉です。
当事者間で、裁判所で問題を解決する方法なのですが、裁判官が中心となるのではなくて、当事者間で話し合うことが基本となっています。
当事者間で話し合うのであれば、裁判所を利用しなくても良いのではと思うかもしれません。
しかしながら、裁判所だからこそ実現できる権利があり、約束事があるのです。
例えば、裁判所には調停員と呼ばれる人がいます。
簡単に説明すれば、話し合いの途中に問題が発生した際に仲裁する人です。
しかし、それだったら裁判所が関与しなくても一般の人でできるのではないかと思うでしょう。
実は、裁判所の特定調停で決まった内容というのは、裁判所が書面に残すことになるので、必ず守らなければならないという法的効果があるのです。
調書は法的効果を持っている
特定調停では、調停調書というものを作成します。
調停調書には、調停で決まった内容が記載されており、何が記載されたのかということが非常に大切です。
例えば、特定調停の場で口約束をしたとしても、調停調書に記載されなければ、法的効果がないということになります。
調停調書があれば、法的手段を講じることができるため、履行勧告や履行命令の申出を実施することができます。
これによって、特定調停の場で約束されたことが必ず果たされるような仕組みになっています。
当然ながら、約束事が果たせなければ、法的効果を実行し、損害を埋め合わせることになります。
そもそも調停調書というものが、申立人と相手方が合意し、約束事が記載された調書を意味しますので、法的効果がなければ調停を行う意味がないのです。
特定調停を上手に進めるための交渉術
裁判よりも和解を求める意味で、借金を特定調停に持ち込むこともできます。
例えば特定調停に持ち込むと、借金の額を減らすことが出来たり(支払う義務は変わりません)消費者金融との話し合いの場がもたれるので、新しい解決案を見いだせることもあります。
しかしながら、あなたvs消費者金融の真っ向勝負だと、あちらからすれば減額をしたくないわけですから、訴訟に持ち込んで払えるだけ払ってもらおうと思われるかもしれません。
借金問題を解決するために調停を上手に進めたければ、下記に記載することを心がけてみてください。
法律事務所に相談する
特定調停は和解しやすいシステムとはいえ、結局のところ決まったことに関しては裁判と同じ効力を発揮しますので、いいかげんな内容で決めてしまうと後で払えなかったり、実践できないときにはあなたに不利になってきます。
当事者同士で解決できなければ、司法書士や弁護士に任せて解決する方法をとるしかありません。
無料相談サービスがありますので、その時点で特定調停がしたいことを正直に話しておきましょう。
すると、特定調停について詳しい弁護士が協力してくれる可能性があります。
もし信頼できそうな弁護士が見つかれば、どうすれば交渉を有利に進められるか詳しく聞いておいてください。
事前の計画が交渉を大きく左右しますので、弁護士の指示にしっかりと従うようにしましょう。
特定調停中に話してはいけないことは言わない
特定調停という場所は、何でも自分が思っていることを言う場所ではありません。
発言ひとつひとつに責任があり、失言してしまうことで非常に不利になってしまうことがあります。
つまり、調停中に話してはいけないことがあるということです。
交渉を有利に進めるためには、どのような言葉選びをする必要があるのかや話の進め方について事前に聞いておかなければ上手く交渉はできないでしょう。
言ってはいけないことは何なのか、弁護士からしっかりと聞いておきましょう。
言葉の遣い方によっては交渉が難しくなる
特定調停というのは一般的な裁判と違い、話し合いによる裁判です。
そのため、自分が感情的になってしまうと、相手と話し合いにならなくなります。交渉というのは、冷静な思考においてでしかできません。
その点を考慮しながら、言葉遣いに気をつけていく必要があります。
しかしながら、裁判所の特定調停で交渉するのは、代理人の弁護士になりますので、その点についても事前に相談しておくと良いでしょう。
実際に、債務者本人が裁判所に行く必要がある調停日もあるのですが、決して、1人で交渉するわけではありません。
弁護士が横についてくれますので、指示された通りに話を進めていきましょう。
安易に何でも話さない
交渉を上手く進めるポイントは、自分の考えで話を進めないということです。
どのような口約束であったとしても、特定調停の場で記録されてしまったら法的効果が存在することになります。
守れない約束をしたとしても意味がありません。
借金問題を解決するための交渉ですので、何を話せば有利になるのかということを弁護士と相談しておきましょう。
債務名義
債務名義ということになれば、もっと大変です。
債務名義とは、簡単にいいますと強制執行により債務を返さざるを得なくなる文書が発行されてしまうことです。
このようなことを避けるために、特定調停でも甘くみてはいけません。
少なくとも特定調停で話がつけばいいですが、多くの場合よほどの条件でない限り、借金をおまけするような決め事に相手は「うん」ということはないでしょう。
そこでうまく活用したいのが専門家の交渉です。
条件次第では、返済の金額を減らすこともできますので、良く専門家と状況を話し合って、ベストな方向で債務整理をするようにしてください。
どうやって専門家に依頼したらいいの?どういう人に頼めばいいの?と分からない場合には、こちらのおすすめを参考にしてみてくださいね。
口コミや扱う件数が多ければ、特定調停にも交渉にも慣れていますから安心して調停初心者でも借金問題を任せられるはずです。
借金問題で特定調停を有利に進める方法のまとめ
特定調停というのは、裁判所で実施される話し合い交渉の場です。
調停調書に記載されたことには法的効果があり、守らなければ、損害を埋め合わせるために約束を実行する権利が与えられます。
特定調停を上手く進めるポイントは、あなたのサポートをしてくれる弁護士と、しっかり話し合いをしておくことです。
会話の内容はすべて決定しておき、決められた範囲の中で交渉していくことが大切です。